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知らないことがあるもんだ。 [こんなことあんなこと]

2月の10日(金)から12日(日)の3日間、びわ湖大津プリンスホテルで「アメニティフォーラム21」というイベントが開催された。

私は10日の午後に「感情労働」について話してほしいと呼ばれて行ったのだが、
その前に送られてきたプログラムを見て、その豪華さ、多彩さにびっくりしてしまった。
そして行ってみてびっくり。
大津プリンスホテルを全館借り切ってのイベントなのだ。
単なる学会の規模を超えている。

オープニングの後には、エマニュエル・トッドの「人口減少の日本社会・新しい価値を何処に求めるのか」という講演があり、(当日、トッド氏は体調不良で来日できず、ビデオでの出演だった)。
その後には「今、あらためて共生社会を」というテーマでのプログラムと「障害者のリアル×東大生のリアル」というテーマで福島智氏の講演が続く。

これだけでも、豪華すぎるラインアップである。
その後、私の講演と並行して、高次脳機能障害の夫との生活を語る人の話や生活に苦しくて罪を犯した障害者の話などが行われていた。
最後の日には、六車由美さんも登壇して、介護するからだ、耳を澄ます介護というテーマでの鼎談がおこなわれていた。
ほかにもピアサポートや障害者福祉に関するさまざまなプログラムが立て続けにあり、なんと終了時間が初日は、25時15分、2日目は25時30分などとなっている。
実際には、朝の2時、3時までも議論していたところもあったらしい。

おまけに、ボーダレス・アートミュージアムNOMAのある滋賀県らしく、アール・ブリュットの展示とシンポジウムのようなものもあり、北山修氏が登壇していた。

さらに、白井貴子「北山修/きたやまおさむ」を歌うという、きたやまおさむのレクチャー付きセッションもあったほか、内外の映画を多数上映する、映画祭のようなプログラムもあった。

私は、小室等の「ほほえむちから」というコンサートセッションに行ってみた。
若い女性がヴォーカルとウクレレを担当していて、それが彼の娘さんのこむろゆいさんだと初めて知った。
さすが小室さんの娘さん、美しく力強い声である。
父も年齢の衰えを感じさせない声量で、うれしくなった。
キーボードやアコーディオンを担当する女性も素晴らしかったが、長いこと一緒に演奏旅行をしているらしい。
チェルノブイリの原発事故の後、一緒にバスをチャーターして、被災した村の人々の慰問に行ったという話をしていた。
原発のそばまで、防護服を着て放射線の計測器をもって近づいたそうだ。
そこで創った歌も披露してくれたが、行く先々で現地の人とも歌ったのだそうだ。
でも、3.11が起こって、それでもまだ、自分にとっては他人事だったのだと気付いたと語っていた。

昔から小室等さんが千葉の外房にある一宮学園という児童養護施設にかかわっていることを、一緒に働いていたワーカーから聞いて知っていたが、このような社会的活動をずっと続けていたとは、全く知らなかった。頭が下がる思いだった。

知らないといえば、このフォーラムである。
なぜ、こんなそうそうたるメンバーを集めた豪華なイベントが滋賀で行われているのか。
実は今年でなんと21回目なのだという。
イベントの豪華さにどういう会なのかという性質が見えなくなるのだが、
中心となって運営しているのは、全国地域生活支援ネットワークという障害者福祉に携わっている人々の組織で、公益財団法人糸賀一雄記念財団というところが主催しているらしい。

糸賀一雄という人は、京都帝国大学哲学科を卒業後、滋賀県庁に勤め、要職を歴任していた人で、戦災孤児や障害をもつ子どもたちのために力を尽くし、現代福祉の父と称される人なのだそうだ。
彼は子供の養護施設である近江学園を創設し、そこでともに暮らした。
彼は、「この子らを世の光に」という有名な言葉を残して、58歳の若さで世を去った。
だが、その思想は滋賀県に根付き、それがこの大きなイベントに結実しているのである。
初日のパーティーには、海外からの招待客に交じって滋賀県や他県の知事はじめ、国会議員やら県会議員などがいっぱい参加し挨拶していた。
福祉関連の会とは思えない(?)、エネルギーに満ちた雰囲気だった。

若いワーカーが大勢参加していたが、感情労働という言葉は初めて聞くという人が多く、関心をもたれたようだ。
やはり、長く福祉職をやっている人々は、休みも返上して献身的に利用者さんに尽くすことが当たり前と考えている人が多いようで、私は間違っていたのでしょうかと話しかけられたりした。
時あたかも、相模原のやまゆり園の事件や、生活保護にまつわるジャンパー事件などが起きていただけに、よいタイミングではあったようだ。

私にとっても、かなりのカルチャーショックを受けたイベントであった。

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