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師も走る季節に [こんなことあんなこと]

年も押し詰まったこの時期に、原稿の締め切りを2件かかえて
ぎりぎり締め切り日の夜にやっと書き終えて、いざファイルを保存しようとクリックしたら、が~ん!Wordが壊れてしまった!!

新しいPCにしてからも、やたらとWindowsの自動更新があり、
デフォルトのホームページが、勝手にYahooから富士通のMy Cloudのホームページに代わっていたりした。ひどい。陰謀だ。
おまけに、突然プログラム終了になることが多くなった。

ただ、これまではすぐに自動復旧が働いて、自動保存のデータが復元されて出てくるので、あんまり気にしてなかった。

ところが、今度ばかりは自動復旧が働かず、ほんとに壊れた。
バックアップを見ても、6時間近く前に保存したデータしか残ってない。

そこから必死で記憶をたどり、原稿を復元すること3時間。
ようやく日をまたいだところで完了。あやうくセ~フ。

翌日は、朝大学で講義、午後出版社でインタビュー、夜友人と会食。
その翌日は、9時から企業のコンサル。
その後、初台リハビリテーション病院への見学。
すごいスケジュール。

でも、初台は面白かった。
長嶋さんがリハビリをしてあそこまで回復したのもここ。
話はちょくちょく聞いていたので、驚きはしなかったのだけれど
やっぱり百聞は一見に如かず。

なにしろ、この病院、看護部がない!のですよ。
ケア部門があって、今はたまたま部長が看護師なのだけれど、ケア部門には看護師(准看護師・ヘルパーさんも含む)のほかに、セラピストと総称されるOT・PT・STがいて、ソーシャルワーカーもここにいる。
みんなでケアに当たるのだ。医師もチームの一員。
なにしろ制服も白衣ではなく、全員が職種の別なく上下作業着のような軽快なパンツルック。
シャツの色はブルー・ピンク・グレーなど数種類ある。

しかも私物の服ではなく、サイズの違う制服をそれぞれが棚から取って着用するのだ。
肩のところに名前が書かれたワッペンをマジックテープで付けていて(洗濯の時には外せるよう)、そのワッペンの色でようやく職種がわかる仕組み。

職種の壁はなく、夜勤はナースだけだが、早番遅番などはほかのセラピストたちも入る。
申し送りも一緒にやるし、医師(院長も)も含めてみんな一つの部屋で共有のパソコンを使っていた。部屋でパソコン仕事をしているスタッフはわずかだ。

ここの病院では、とにかく家庭に帰すことが目標なので、24時間がリハビリという考えで、どこのリハビリ施設にもある、機能訓練用の立派な機械の備わったフロアもあるのだが、病棟が家庭や外の生活に近いように環境設定してあり、そこでの生活がすべてリハビリになると考えられている。
そこでの生活のなかに治療があること、対等な立場での話し合いによる運営など、基本的な理念としては、精神科でいう治療共同体だなと思った。制服だけは違うけど。

とにかくPTやOTのプログラムが終わったら、部屋に戻ってお休み、なんてことはないのだ。
患者さんはだれも昼間はベッドに寝ていない。ベッドにオーバーテーブルなどもない。

食事も全員が食堂で食卓について椅子に座って食べ、(車いすで食べたりはしない)
お風呂も機械浴はなく、職員が抱えて入れている。


それに椅子やテーブルも木製だし、生の花と本物の大きな木のポットが飾られていて、季節柄クリスマスツリーのデコレーションがしてあり、これも、担当者の手でホテルやデパートの飾りつけのようなアートになっていた。

食事も、フロアごとに厨房があって、そこで給仕しており、
食堂の前には、レストランのような写真付きのメニューがスタンドにおいてあった。
それも本格的なメニューで、私も知らないカタカナ料理もあった。

よく病院や施設では、壁にベタベタといろんな掲示物がはってあるものだが、
ここでは掲示物は事務の担当者がすべての病棟に同じ、きれいに印刷したものを貼りだしていて、
アクリルの板で覆ってあるので、美しい。
棚に、中に入れたものをマジックで書いたシールなんてものも貼ってない。

それにスタッフ全員の名前と顔写真が廊下にこれも美しく掲示されていた。
看護以外の職種も大勢いるので、男性スタッフも多い。
男女が入り混じって仕事をしているのは、いい感じ。

見学に歩いていると、会うスタッフごとに「こんにちは」とあいさつしてくれた。
これまで実習指導に行くと、何しに来たとばかりに一瞥されたり、
無視されることが少なくなかったので、これには感心した。
ちゃんとそう指導しているとのことだった。

スタッフもスタッフステーションでおしゃべりしたりしていない。
患者さんが部屋から出てきているので、スタッフもそばにいるのだ。

そのせいか、病棟がざわめいていて、活気があった。
お年寄りの多い病棟ではよくある、昼間は患者さんはうつらうつらしていていて静かで、
突然ギャーと奇声が聞こえたり、四六時中通奏低音のようにうめき声が聞こえているような雰囲気とは違った。

トイレも、一人一人のタイミングに合わせて、昼だろうが夜だろうが連れていく。
おむつもつけないし、せん妄で暴れたからって拘束はしない。
もちろん、転倒予防のために車いすに乗せたり拘束したりもしない。
第一、拘束帯がおいてないのだ。


こないだ、腹を立てて出て行った患者さんの後を、スタッフが交代で9時間もついて回ったという話をしてくれた。
その患者さんは、自分の会社に寄ったり、いろいろ歩き回って手を焼かせたらしいのだが、説得しても聞かないので、ただついて歩いているうちに、病院に戻る気になって、戻ってきたのだそうだ。

これだけのサービスを提供するには、とにかく手のかけ方が半端ではないので、スタッフの負担も大きい。
入浴介助だけでも大変だろう。
そういうわけで、やはり体力的にきついのだろう、若いスタッフが非常に多かった。


こういうきめ細やかな"普通の日常ケア"が、高度なリハビリテーションになるというのは、精神科でも同じなのだが、なかなかそれがプロフェッショナルの仕事とは見てもらえないことが多い。
ここでも、こうした日常的なケアに力を入れていることで、「専門技術」が身につかないと思ってしまうスタッフも辞めていくということだった。

看護部がなくなると、一人一人が自分で専門職としてのアイデンティティを持たざるを得ないし、リハビリのプロとしてやるべきこと、視点といったものを自分で確立させないといけない。
それはほかの職種も同じだ。

いろいろと考えさせられた見学であった。



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