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スウェーデンの作家はアフリカの作家 [本と映画のはなし]

フラッシュメモリの文書消失事件については、復元ソフトや業者の情報をよせていただいて、目下、ソフトを取り寄せ中。アドバイスをくださった方がた、どうもありがとう。

いよいよ今週末からスウェーデンです。向うは、ここ数日雨模様で、気温も零下には下がっていないようで、ますます、どんな支度をしていけばいいのか、悩ましいところです。

で、スウェーデンに行くからには、スウェーデンのことを学習しなくてはと、以前、このブログでも紹介したミステリ作家、ヘニング・マンケルの作品を読みました。といっても、彼の人気シリーズ、ヴァランダー警部物ではありません。実は、彼は一連の児童文学作品も書いているのです。

まずは、『炎の秘密』(講談社)。舞台は、世界の最貧国のひとつモザンビーク。内戦で家を焼かれ、父を殺された少女ソフィア。母ときょうだいともども、飲まず食わずで逃げ延びた村で、つかの間の平和をつかんだと思った矢先、ソフィアは地雷を踏み、最愛の姉マリアは死に、自らも両足を失ってしまう。
町の病院で手術を受け、一命を取りとめたソフィアは、義足をつけて村に帰還を果たします。ところが、母は恐ろしい男と一緒に住んで、弟までうまれていました。12歳のソフィアは、一人で生きていく決意をします。
実は、ヘニング・マンケル自身、若い頃からアフリカへの旅をかさね、ザンビアに住んでいたこともあるとか。80年代終わりからは、モザンビークの首都マプトに住み、モザンビーク唯一の劇団の座付き作家兼演出家兼劇場の監督兼アドバイザーとして、働いているのだそうです。あのヴァランダー警部を創作した作家が、アフリカに住んで、アフリカの物語もかいているなんて知りませんでした。
このソフィアは実在の人物で、マニングの友人なんだそうです。
この作品で、マニングはスウェーデンでもっとも栄えあるアストリッド・リンドグレーン賞を受賞しました。

2作目の『炎の謎』(講談社)では、ソフィアは思春期を迎えています。ところが、姉のローサの様子が変です。疲れやすく、吐いたりしています。町の病院に入院していたソフィアは、それが恐ろしい病気エイズであることに気づきます。一方、思春期を迎えたソフィアの前に不思議な少年がおとずれてきます。胸をときめかすソフィア。

内戦の恐怖、200万個とも500万個ともいわれる地雷、そしてエイズ。現代アフリカが抱える深刻な諸問題を描きながら、不注意から最愛の姉を死なせ、両足を失った少女の葛藤、エイズを罹患した姉の心の動き、そして思春期のなんともいえない甘く切ないこころとからだのざわめきといった、住む世界にかかわりなく、あらゆる人々が体験するであろう、こころの機微が巧みに描かれていて、児童向けというより、大人向けの小説といったほうがいいかもしれません。

3作目もあるそうですが、日本ではまだ翻訳されていません。健気に夢に向かって生きるソフィアが今後どのような恋をして、どのような女性になっていくのか、つづきをぜひ読んでみたいと思います。


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